危険物乙4「運搬の基準」完全まとめ|試験頻出ポイントを徹底解説

危険物乙4の試験では、「運搬の基準」から毎回複数問が出題されます。運搬容器・積載方法・混載の可否・運搬方法の4つの柱を整理して覚えることが、合格への近道です。本記事では試験頻出ポイントを中心にわかりやすく解説します。
運搬の基準とは?基本をおさえよう
「運搬」とは、ドラム缶や一斗缶などに詰められた危険物をトラック等の車両によって運ぶことをいいます。
運搬の基準には、次の2つの重要な特徴があります。
- 指定数量未満の危険物にも適用される
- 届出や許可の義務はない
危険物を「運搬」するだけであれば、指定数量に関係なく危険物取扱者の同乗は不要です。
運搬容器の基準
材質・構造の要件
危険物は必ず運搬容器に収納して運搬しなければなりません。運搬容器の材質は、鋼板・アルミニウム板・ブリキ板・ガラスなどが定められています。容器は堅固で危険物が漏れるおそれがなく、かつその口から収納した危険物が漏れるおそれがないものでなければなりません。
危険等級(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)
危険物は危険性の程度に応じて危険等級Ⅰ・Ⅱ・Ⅲに区分されます。容器の構造および最大容積は、容器の区分に応じて細かく定められています。
積載方法の基準
容器への収納方法
- 危険物は原則として運搬容器に収納して積載すること
- 温度変化等により危険物が漏れないよう運搬容器を密封して収納すること
- 収納する危険物と危険な反応を起こさない材質の運搬容器に収納すること
- 固体の危険物は、容器の内容積の95%以下の収納率で収納すること
- 液体の危険物は、容器の内容積の98%以下の収納率で、かつ55℃の温度において漏れないよう十分な空間容積を有して収納すること
- ひとつの外装容器には、原則として類を異にする危険物を収納してはならない
容器表示の6項目【試験頻出】
危険物の運搬容器の外部には、以下の6項目を表示して積載しなければなりません。
- 危険物の品名
- 危険等級
- 化学名
- 第4類のうち水溶性のものは「水溶性」の表示
- 危険物の数量
- 収納する危険物に応じた注意事項
注意事項の内容は類別によって異なります。特に試験に出やすいものを以下の表にまとめます。
| 類別等 | 品名 | 注意事項 |
|---|---|---|
| 第1類 酸化性固体 | アルカリ金属の過酸化物、これらの含有品 | 【火気・衝撃注意】 【禁水】 【可燃物接触注意】 |
| その他のもの | 【火気・衝撃注意】 【可燃物接触注意】 | |
| 第2類 可燃性固体 | 鉄粉、金属粉、マグネシウム、これらの含有品 | 【火気注意】 【禁水】 |
| 引火性固体 | 【火気厳禁】 | |
| その他のもの | 【火気注意】 | |
| 第3類 自然発火性物品 | すべて | 【空気接触厳禁】 【火気厳禁】 |
| 第3類 禁水性物品 | すべて | 【禁水】 |
| 第4類 引火性液体 | すべて | 【火気厳禁】 |
| 第5類 自己反応性物質 | すべて | 【火気厳禁】 【衝撃注意】 |
| 第6類 酸化性液体 | すべて | 【可燃物接触注意】 |
その他の積載注意事項
- 危険物が転落・転倒・破損しないよう積載すること
- 運搬容器は収納口を上に向けて積載すること
- 遮光性の被覆が必要な危険物(日光の直射を避けるため):第1類・第3類(自然発火性)・第4類(特殊引火物)・第5類・第6類
- 防水性の被覆が必要な危険物(雨水の浸透を防ぐため):第1類のうちアルカリ金属の過酸化物等、第2類のうち鉄粉・金属粉・マグネシウム等、第3類の禁水性物品
- 保冷コンテナによる温度管理が必要な危険物:第5類のうち55℃以下の温度で分解するおそれのあるもの
- 危険物と高圧ガスは混載してはならない(ただし、内容積120L未満の容器に充てんされたアセチレンガスまたは酸素ガスを、第4類第3石油類または第4石油類と混載する場合はこの限りでない)
- 運搬容器を積み重ねる場合は、高さ3m以下で積載すること
混載の可否一覧表【試験頻出】
同一車両において類を異にする危険物を運搬するとき(混載)、混載してはならない組み合わせがあります。
| 項目 | 第1類 | 第2類 | 第3類 | 第4類 | 第5類 | 第6類 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 第1類 | ― | × | × | × | × | ○ |
| 第2類 | × | ― | × | ○ | ○ | × |
| 第3類 | × | × | ― | ○ | × | × |
| 第4類 | × | ○ | ○ | ― | ○ | × |
| 第5類 | × | ○ | × | ○ | ― | × |
| 第6類 | ○ | × | × | × | × | ― |
※この表は、指定数量の1/10以下の危険物については適用しません。
覚え方のポイント:混載できる(○)組み合わせは5パターンだけです。「第1類は第6類とのみ混載可」「第4類は第2類・第3類・第5類と混載可」と整理して覚えましょう。
運搬方法の基準
標識の掲示要件
指定数量以上の危険物を車両で運搬する場合、車両の前後の見やすい箇所に標識を掲げなければなりません。
- 大きさ:0.3m平方
- 色:黒色の板に黄色の反射塗料またはその他反射性を有する材料
- 表示:「危」
指定数量以上の運搬時のルール
- 積替え・休憩・故障等のため車両を一時停止させるときは、安全な場所を選び、かつ運搬する危険物の保安に注意すること
- 危険物または危険物を収納した運搬容器が著しく摩擦または動揺を起こさないよう運搬すること
- 危険物が著しく漏れる等、災害が発生するおそれがある場合は、応急措置を講じるとともに最寄りの消防機関その他の関係機関に通報すること
- 危険物の運搬に適応する消火設備を備えること
「運搬」と「移送」の違い【試験頻出】
| 項目 | 運搬 | 移送 |
|---|---|---|
| 方法 | 容器に詰めてトラック等で運ぶ | タンクローリー(移動タンク貯蔵所)やパイプラインで運ぶ |
| 取扱者の同乗 | 不要(積み卸し時は立会い必要) | 危険物取扱者が乗車し、免状を携帯しなければならない |
| 運転要員 | 規定なし | 長時間移送(連続運転4時間超または1日9時間超)の場合は2名以上の運転要員を確保 |
| 指定数量との関係 | 指定数量未満にも基準が適用される | 移送する危険物を取り扱える資格が必要 |
試験対策まとめ|よく出る問題パターン
- 運搬の基準は指定数量未満にも適用される → ○
- 運搬するだけなら危険物取扱者の同乗は不要 → ○
- 液体危険物の収納率は容器内容積の98%以下、かつ55℃で漏れないこと → ○
- 固体危険物の収納率は容器内容積の95%以下 → ○
- 第2類と第4類は混載できる → ○
- 第1類と第4類は混載できない → ○(第1類と混載できるのは第6類のみ)
- 標識は0.3m平方の黒色の板に黄色で「危」と表示 → ○
- 容器表示の注意事項で第4類はすべて「火気厳禁」 → ○
運搬の基準は暗記項目が多いですが、混載の可否(5パターン)と容器表示の6項目は必ず得点できるよう繰り返し確認しておきましょう。
