管理職研修向けアンケートのポイントと注意点!質問項目事例付き!

管理職研修は、組織の成果に直結する重要な人材育成プログラムです。しかし、その効果を十分に活かすためには、研修を終えた後の「振り返り」と「評価」が欠かせません。なかでも、アンケートを活用したフィードバックの収集は、受講者の反応や研修の有効性を把握するうえで非常に有効です。
この記事では、管理職研修における「研修後アンケート」に注目し、その目的や必要性、注意すべきポイントについてわかりやすく解説します。質問項目の例もご紹介していますので、研修担当の方はぜひ参考にされてください。
研修後アンケートの目的と必要な理由
研修後アンケートを実施する目的は、単に「感想を集めること」ではありません。
受講者の理解度や満足度を確認しつつ、次回の研修内容をより良くするための「改善材料」を得るという側面が大きいのです。
特に管理職研修では、以下のような目的でアンケートを行うことが多くあります。
研修内容が現場で活かせるかを確認する
管理職は研修内容を実務に直結させる必要があります。アンケートを通じて「どの知識が役立ちそうか」「どの部分が曖昧だったか」などを可視化できます。
受講者の満足度を把握し、改善の余地を探る
研修の進行や講師、資料に対する評価を収集し、改善につなげることができます。アンケートで見えてくる「不満の芽」を早期に潰すことも大切です。
実践につながる行動変容の兆しをとらえる
管理職研修は、受講者の意識改革や行動変容がゴールになることも多いです。アンケートを使って「研修後にどのような行動を取りたいか」など、意欲や方向性を把握することができます。
管理職研修ならではの注意点!
管理職研修では、一般社員向けの研修とは異なる視点や設計が求められます。アンケートを設計する際も、管理職という役職や立場に応じた工夫が不可欠です。ここでは、特に意識すべき3つの注意点をご紹介します。
自己肯定感の高い層への問いかけ方に注意する
管理職層はこれまでのキャリアや実績に自信を持っている方も多く、
「できましたか?」「理解できましたか?」といった設問では曖昧な回答になりがちです。
工夫のポイント
「どのように部下育成に活かしますか?」「現場導入に際しての課題は何ですか?」といった応用や実践に関する問いが有効です。
実務との結びつきを重視する
研修の目的は、学んだ内容を現場で活かして成果を出すことにあります。
特に管理職研修では、実務との関連性を確認する質問が重要です。
工夫のポイント
「この研修内容をチームマネジメントにどう取り入れられそうですか?」など、具体的な実務への接続を問う設問が効果的です。
立場上“本音”が出にくいことを踏まえる
管理職は周囲や評価への配慮から、ネガティブな意見を書きづらい傾向があります。
本音を引き出すには、設問の工夫が必要です。
工夫のポイント
選択式の設問を先に用意して“意見のヒント”を与えたうえで、最後に自由記述を設ける構成が効果的です。また、匿名性の担保も率直な回答を得るうえで重要です。
【目的別】管理職研修向け!アンケートの質問例
管理職研修でのアンケートは、目的に応じて設問の内容を変えることが重要です。ここでは、よくある3つの目的に応じた質問例をご紹介します。
研修へのモチベーションなどを事前に確認したい場合
研修の効果を高めるには、受講者の関心や期待をあらかじめ把握することが有効です。以下はそのための質問例です。
- 今回の研修に対して、どのような期待を持っていますか?(自由記述)
- 現在の業務において、特に課題を感じているテーマはどれですか?(選択式)
- 今回の研修で最も知りたい内容や、身につけたいスキルを教えてください。(自由記述)
活用ポイント
このような設問によって、参加者のニーズを把握し、講師や運営側が研修を柔軟に調整することができます。
理解度/定着度を測りたい場合
研修内容が正しく理解され、実務に応用できるかを確認する質問です。
- 研修で学んだ内容を、現場のマネジメント業務にどう活かせそうですか?(自由記述)
- 今回の研修内容をチームに共有する場合、どのように説明しますか?(自由記述)
- 以下の設問に○×でお答えください:「○○理論について、正しく説明できる」(選択式)
活用ポイント
業務での活用イメージを持ってもらうとともに、どの部分が理解できていないかを可視化できます。
満足度を測りたい場合
研修の進行や講師、コンテンツの質を受講者目線で振り返る質問です。
- 研修内容は期待通りでしたか?(5段階評価)
- 講師の進め方は分かりやすかったですか?(5段階評価)
- 今回の研修を他の管理職にも勧めたいと思いますか?(はい・いいえ)
- 改善してほしい点や気づいた点があればご記入ください(自由記述)
活用ポイント
満足度の把握はもちろん、次回研修の改善点も見つけやすくなります。
実施タイミング別!アンケートの質問例
アンケートの設問は、実施タイミングによって目的や内容が異なります。ここでは「研修前」と「研修後」に分けて、具体的な質問例をご紹介します。
研修前アンケートの場合の質問項目例
研修前アンケートでは、受講者の現状把握や期待の整理が主な目的です。以下のような質問が有効です。
- 今の業務において課題を感じている点は何ですか?(自由記述)
- 現時点でのマネジメントスキルに自信はありますか?(5段階評価)
- 今回の研修に期待していることを教えてください(自由記述)
- これまでに受講したマネジメント研修があれば、簡単に教えてください(自由記述)
- 今回の研修テーマに関する知識・経験はどの程度ありますか?(選択式)
目的
- 参加者の課題・ニーズの把握
- 研修設計・進行への活用
研修後のアンケートの場合の質問項目例
研修後アンケートでは、理解度・満足度・今後の活用意欲などを測ります。以下の質問が効果的です。
- 研修で学んだ内容は業務に活かせそうだと感じましたか?(5段階評価)
- 研修の進め方や講師の説明は分かりやすかったですか?(5段階評価)
- 今回の研修を経て、どのような行動を変えたいと思いましたか?(自由記述)
- 内容のボリュームは適切でしたか?(「多すぎた」「ちょうどよい」「少なすぎた」)
- 研修で最も印象に残った内容は何ですか?(自由記述)
目的
- 研修の効果測定と質の改善
- 受講者の行動変容の兆しを把握
アンケートが向き・不向きな研修
アンケートは多くの研修で効果的に活用できますが、すべての研修に適しているとは限りません。ここでは、アンケートの活用が「向いている研修」と「不向きな研修」について、それぞれ解説します。
アンケートが効果的な研修
以下のような研修では、アンケートが特に有効です。
- 目的が明確で評価しやすい研修 例:コンプライアンス研修、ビジネスマナー研修など
→ 知識の習得度や理解度、満足度などを定量的に把握しやすいため。 - 複数回実施される定型的な研修 例:新入社員研修、階層別研修など
→ 回を重ねる中で内容の改善やカスタマイズがしやすく、比較が可能です。 - 受講者が多い集合型研修 → 全体傾向を把握しやすく、研修全体の傾向や評価を可視化できます。
- 実務に直結するスキル習得を目的とした研修 例:マネジメント研修、営業スキル研修など
→ 習得度や行動変容の有無を把握し、OJTと連携した活用も可能です。
アンケートが不向きな研修
一方で、以下のような研修にはアンケートが適さない場合もあります。
- 研修の目的が抽象的で評価が難しい場合
- 例:アート思考研修、感性研修、内省型ワークショップなど
→ 数値化や設問形式が適合しにくく、自由記述中心になるため評価が偏る恐れがあります。
- 例:アート思考研修、感性研修、内省型ワークショップなど
- 人数が極端に少ない場合(1〜2名程度)
- 個別フィードバックや面談の方が効果的。アンケートでは傾向を見出すことが難しいです。
- 場の空気や相互作用を重視したワークショップ型研修
- 参加者の体験や感情を共有することが目的であるため、アンケートでは表現しきれない部分があります。
研修後アンケート作成・実施方法
研修後アンケートは、単に「実施すること」が目的ではありません。目的を明確にし、設問を精査し、実施と分析の流れを整理することで、より価値あるデータが得られます。ここでは、アンケート作成から活用までのステップを具体的に解説します。
アンケートの目的を決める
まず最初に、「なぜアンケートを行うのか」を明確にします。たとえば、以下のような目的があります。
- 受講者の満足度を知りたい
- 研修内容の理解度や定着度を測りたい
- 研修の改善点を明らかにしたい
目的が不明確なまま進めてしまうと、設問の意図がぶれてしまい、有効な結果を得られません。
アンケートの評価や分析方法を検討する
設問を作成する前に、「どのように集計・評価・分析するか」をあらかじめ考えておくことが重要です。
- 5段階評価やYes/No回答など、数値化しやすい形式を活用する
- 自由記述欄は補足として設け、定性的な意見を集める
- 分析ツール(ExcelやGoogleフォームの自動集計など)との連携も視野に入れる
評価軸を定めておくことで、アンケートの質も向上します。
アンケートの実施と回収を行うタイミングを決める
適切なタイミングで実施・回収することも重要なポイントです。
- 研修直後に実施すると、印象が鮮明な状態で回答が得られる
- 実施から回収までの期間はなるべく短く設定する
- オンラインの場合はリマインドの仕組みを整える
早すぎると考える時間が足りず、遅すぎると記憶が薄れるというリスクがあります。
アンケート内容を作成
目的と分析方法が決まったら、設問を作成します。以下を意識しましょう。
- 「選択式」と「自由記述式」のバランスを取る
- 回答負担が大きくならないように、設問数は10問以内を目安に
- 導入文や質問の表現もわかりやすく丁寧に
また、回答者の心理的負担を軽減するために「匿名回答」も有効です。
アンケートの実施
紙・オンラインいずれかの方法でアンケートを実施します。最近はGoogle FormsやMicrosoft Formsなど、無料で使えるオンラインツールの活用が主流です。
- 実施時はアンケートの目的や所要時間を明示
- 研修の最後に時間を確保して記入してもらうと回答率が上がる
「回答しやすい環境づくり」も大切な工夫のひとつです。
アンケート回収後に評価や分析
回収後は、速やかに評価・分析を行いましょう。
- 数値データは集計し、グラフなどで傾向を可視化
- 自由記述はカテゴリーごとに分類して整理
- 結果をもとに次回研修への改善点を洗い出す
集めたデータは研修担当者だけでなく、講師や経営層とも共有し、全体の研修設計に活かしていきます。
管理職向けアンケート作成におけるポイント
管理職研修は、単なる知識の習得だけでなく、組織を牽引するリーダーとしての実践的な行動変容が求められる研修です。そのため、アンケートの設計も一般社員向けとは異なり、より深い洞察や実務とのつながりを意識する必要があります。
自社で作る場合
自社で管理職向けのアンケートを作成する際は、以下のようなポイントに留意することが大切です。
- 自社のマネジメント課題を明確にする
例えば「部下育成が弱い」「リーダーシップにばらつきがある」といった自社ならではの課題に合った質問を設計することで、アンケートの実用性が高まります。 - 評価項目を抽象的にしすぎない
「管理職としての自覚はありますか?」など曖昧な設問よりも、「部下との面談頻度は月に何回ですか?」といった具体的で測定可能な質問が有効です。 - 自由記述と選択式のバランスを取る
管理職層は意見を持っている人が多いため、自由記述欄は重要です。一方で、集計のしやすさを考えると、選択式との組み合わせも欠かせません。 - 匿名性を担保しつつフィードバックにつなげる
率直な意見を集めるには匿名性が大切です。ただし、個別フィードバックの必要性がある場合は、記名式にするパートを分ける工夫も有効です。
管理職向けアンケートは外注も有効
管理職向けのアンケートは、専門性が高いため、外部の研修会社やコンサルタントに依頼するのも一つの選択肢です。
- 専門的な観点で設問を設計できる
管理職の役割や成長プロセスに詳しい専門家であれば、組織の課題に沿った設問を的確に設計してくれます。 - 自社では気づきにくい視点が得られる
第三者視点で設問を作ることで、社内では見落としがちなリスクや育成の盲点にもアプローチできます。 - 分析や改善提案まで依頼できる
設問設計だけでなく、回答分析や今後の研修方針に対する提案まで含めてサポートを受けられる点も魅力です。
ただし、外注する場合も「自社の課題や目指すゴールを共有すること」が前提です。丸投げにならないよう、担当者としての関与も重要になります。
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