危険物乙4|指定数量の覚え方と一覧表

危険物乙四 第4類危険物の指定数量一覧表 アイキャッチ画像

危険物乙4の試験において、「指定数量」は避けて通れない重要テーマです。第4類危険物だけでも10種類以上の数値を覚える必要があり、多くの受験者が苦戦するポイントでもあります。

本記事では、指定数量の一覧表を整理したうえで、効率的な暗記法を紹介します。「数字が覚えられない」という方は、ぜひ最後までお読みください。

目次

はじめに

指定数量とは、消防法で定められた危険物の貯蔵・取扱いの基準となる数量です。この数量以上の危険物を扱う場合、危険物取扱者の資格が必要になります。

試験では、各物品の指定数量を問う問題だけでなく、複数の危険物を貯蔵する場合の「指定数量の倍数計算」も出題されます。まずは一覧表で全体像を把握しましょう。

第4類 指定数量一覧表

第4類危険物(引火性液体)は、品名ごとに指定数量が定められています。さらに、水溶性と非水溶性で数量が異なる品名もあるため、合計10区分を覚える必要があります。以下の一覧表で全体を確認しましょう。

品名性質指定数量代表的な物品名
特殊引火物50Lジエチルエーテル、二硫化炭素、アセトアルデヒド、酸化プロピレン
第1石油類非水溶性200Lガソリン、ベンゼン、トルエン、酢酸エチル、エチルメチルケトン
第1石油類水溶性400Lアセトン、ピリジン
アルコール類400Lメタノール、エタノール
第2石油類非水溶性1,000L灯油、軽油、キシレン、スチレン、1-ブタノール、クロロベンゼン
第2石油類水溶性2,000L酢酸、アクリル酸、プロピオン酸
第3石油類非水溶性2,000L重油、クレオソート油、アニリン、ニトロベンゼン
第3石油類水溶性4,000Lグリセリン、エチレングリコール
第4石油類6,000Lギヤー油、シリンダー油、タービン油、モーター油、マシン油
動植物油類10,000Lアマニ油、イワシ油、ナタネ油、ヤシ油、オリーブ油、ニシン油

品名別の詳細解説

一覧表で全体像を把握したところで、各品名の特徴と代表的な物品名を詳しく見ていきましょう。試験では、物品名から品名を判断する問題や、各品名の定義を問う問題が頻出です。それぞれの引火点の範囲や代表例をしっかり押さえておくことが合格への近道です。

特殊引火物(50L)

第4類の中で最も危険性が高く、指定数量も最少です。

特徴

発火点が100℃以下、または引火点が-20℃以下で沸点が40℃以下という条件を満たす物質です。常温でも容易に引火し、揮発性が極めて高いため、取扱いには細心の注意が必要です。

代表例と特性

ジエチルエーテルは麻酔作用があり、静電気で引火しやすい性質を持ちます。二硫化炭素は発火点が約90℃と非常に低く、水より重いという特徴があります。アセトアルデヒドは刺激臭があり、酸化されると酢酸になります。

第1石油類(非水溶性200L/水溶性400L)

日常生活で最も身近な危険物が含まれる分類です。引火点が21℃未満の液体が該当します。

非水溶性(200L)の代表例

ガソリンは自動車燃料として広く使用され、引火点は-40℃以下です。ベンゼンは発がん性があり特有の芳香を持ちます。トルエンは塗料の溶剤として使用されます。

水溶性(400L)の代表例

アセトンはマニキュア除光液の主成分として知られています。ピリジンは不快な臭気が特徴です。

アルコール類(400L)

炭素数1〜3の飽和一価アルコールが該当します。変性アルコールも含まれます。

代表例

メタノール(メチルアルコール)は燃料用として使用されますが、有毒で誤飲すると失明の危険があります。エタノール(エチルアルコール)は消毒用や酒類の主成分として広く使われています。

注意点

炭素数4以上のアルコール(1-ブタノールなど)はアルコール類ではなく、第2石油類に分類されます。試験でよく問われるポイントです。

第2石油類(非水溶性1,000L/水溶性2,000L)

暖房器具の燃料として広く使われる油類です。引火点が21℃以上70℃未満の液体が該当します。

非水溶性(1,000L)の代表例

灯油は家庭用暖房器具の燃料として一般的です。軽油はディーゼルエンジンの燃料として使用されます。キシレンは塗料や接着剤の溶剤として用いられます。

水溶性(2,000L)の代表例

酢酸は食酢の主成分で、刺激臭があります。

第3石油類(非水溶性2,000L/水溶性4,000L)

常温では引火しにくいものの、加熱時には注意が必要な油類です。引火点が70℃以上200℃未満の液体が該当します。

非水溶性(2,000L)の代表例

重油はボイラーや船舶の燃料として使用されます。クレオソート油は木材の防腐剤として用いられます。アニリンは染料の原料で、有毒です。

水溶性(4,000L)の代表例

グリセリンは化粧品や医薬品に使用されます。エチレングリコールは不凍液の主成分として知られています。

第4石油類(6,000L)

潤滑油など、引火点が高く比較的安全な油類です。引火点が200℃以上250℃未満の液体が該当します。

代表例

ギヤー油、シリンダー油、タービン油は機械の潤滑油として使用されます。モーター油、マシン油はエンジンオイル等に用いられます。

動植物油類(10,000L)

第4類の中で指定数量が最大ですが、自然発火に注意が必要です。動物の脂肉や植物の種子、果肉から抽出した油が該当します。

代表例

乾性油(ヨウ素価130以上)にはアマニ油、イワシ油があり、自然発火しやすい性質があります。半乾性油(ヨウ素価100〜130)にはナタネ油、ゴマ油があります。不乾性油(ヨウ素価100未満)にはオリーブ油、ヤシ油があります。

重要ポイント

布に染み込んだ乾性油は、酸化熱の蓄積により自然発火することがあります。ウエスの管理には十分注意してください。

指定数量の覚え方

10区分もの数値を丸暗記するのは大変ですが、ある法則を知っておくと効率的に覚えられます。ここでは、水溶性、非水溶性の関係を利用した覚え方を紹介します。

水溶性は非水溶性の2倍

水溶性の指定数量は、非水溶性の2倍という法則があります。

  • 第1石油類 非水溶性200L → 水溶性400L(2倍)
  • 第2石油類 非水溶性1,000L → 水溶性2,000L(2倍)
  • 第3石油類 非水溶性2,000L → 水溶性4,000L(2倍)

水に溶けるものは危険性が低いため、指定数量が大きくなると覚えておきましょう。

危険性と指定数量の関係

指定数量は危険性に反比例します。危険性が高いほど指定数量は小さく、危険性が低いほど指定数量は大きくなります。

  • 最も危険な特殊引火物 50L(最少)
  • 最も安全な動植物油類 10,000L(最大)

この原則を理解しておくと、数値の大小関係を判断しやすくなります。

確認問題

問題1

ガソリンの指定数量として正しいものはどれか。

(1)50L (2)200L (3)400L (4)1,000L

解答:(2)200L

ガソリンは第1石油類(非水溶性)に該当します。

問題2

次の危険物のうち、指定数量が最も大きいものはどれか。

(1)灯油 (2)重油 (3)ギヤー油 (4)グリセリン

解答:(3)ギヤー油

ギヤー油は第4石油類で6,000L。灯油は第2石油類(非水溶性)で1,000L、重油は第3石油類(非水溶性)で2,000L、グリセリンは第3石油類(水溶性)で4,000Lです。

問題3

エタノール400Lと灯油1,000Lを同一場所で貯蔵する場合、指定数量の倍数はいくつか。

解答:2倍

エタノール:400L ÷ 400L = 1倍 灯油:1,000L ÷ 1,000L = 1倍 合計:1 + 1 = 2倍

まとめ

第4類危険物の指定数量を整理すると、以下のポイントが重要です。

  1. 危険性と指定数量の関係 危険性が高いほど指定数量は小さい
  2. 水溶性の法則 水溶性は非水溶性の2倍
  3. 代表的な物品名 各分類の代表例を押さえておく

指定数量は計算問題でも頻出です。まずは一覧表を暗記し、その後で計算問題に取り組むと効率的に学習できます。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次