第4類危険物の分類と引火点をわかりやすく解説

危険物乙4の試験では、第4類危険物の分類に関する問題が頻繁に出題されます。第4類危険物は「引火性液体」と呼ばれ、ガソリンや灯油など私たちの身近にある物質が多く含まれています。本記事では、第4類危険物の7つの分類について、引火点の数値や代表的な物質を整理しながらわかりやすく解説します。水溶性と非水溶性の違いについても触れていますので、試験対策の参考にしてください。
第4類危険物とは?引火性液体の基礎知識
まずは第4類危険物の基本的な定義と特徴を押さえましょう。なぜ「引火点」という概念が重要なのかを理解することで、分類の意味がより明確になります。
第4類危険物の定義と特徴
第4類危険物は「引火性液体」と定義されています。引火性液体とは、液体であって引火の危険性があるものを指します。消防法では、引火点が250℃未満の液体、または引火点が250℃以上で燃焼点が引火点から10℃以内の液体を第4類危険物として規定しています。
第4類危険物に共通する特徴として、以下の点が挙げられます。液体であること、蒸気が空気より重いこと、水より軽いものが多いこと、そして静電気が発生しやすいことです。これらの特徴は、貯蔵や取扱いの際の注意点にも関係してきます。
なぜ「引火点」が重要なのか
引火点とは、液体が点火源によって引火するのに十分な濃度の蒸気を発生する最低の温度のことです。引火点が低いほど、常温でも引火しやすく危険性が高いということになります。
第4類危険物の分類は、主にこの引火点の数値によって区分されています。引火点が低い物質ほど厳しく管理する必要があるため、指定数量も少なく設定されています。試験では引火点の数値を正確に覚えることが求められますので、各分類の境界となる温度をしっかり押さえておきましょう。
第4類危険物の分類一覧|7つの品名を覚えよう
第4類危険物は、引火点や性質によって7つの品名に分類されています。それぞれの定義と代表的な物質を順番に見ていきましょう。
特殊引火物|最も危険性が高い
特殊引火物は、第4類危険物の中で最も危険性が高い物質です。定義は「1気圧において発火点が100℃以下のもの、または引火点が−20℃以下で沸点が40℃以下のもの」とされています。
代表的な物質には、ジエチルエーテル、二硫化炭素、アセトアルデヒド、酸化プロピレンがあります。これらは常温でも非常に引火しやすく、取扱いには細心の注意が必要です。指定数量は50Lと、第4類危険物の中で最も少なく設定されています。
第1石油類|ガソリンが代表例
第1石油類は「1気圧において引火点が21℃未満のもの」と定義されています。21℃未満ということは、夏場の常温でも引火する可能性があることを意味します。
第1石油類は水溶性と非水溶性に分かれます。非水溶性の代表例はガソリン、ベンゼン、トルエン、酢酸エチル、エチルメチルケトンです。水溶性の代表例はアセトン、ピリジンです。非水溶性の指定数量は200L、水溶性の指定数量は400Lとなっています。
アルコール類|炭素数がポイント
アルコール類は、他の分類とは異なり、引火点ではなく分子構造によって定義されています。「1分子を構成する炭素の原子の数が1個から3個までの飽和1価アルコール」がアルコール類に該当します。ただし、この飽和1価アルコールの含有量が60%未満の水溶液は除かれます。
代表的な物質は、メチルアルコール(メタノール)とエチルアルコール(エタノール)です。これらは消毒用アルコールや燃料として広く使用されています。指定数量は400Lです。
第2石油類|灯油、軽油が該当
第2石油類は「1気圧において引火点が21℃以上70℃未満のもの」と定義されています。第1石油類よりは引火点が高く、常温での危険性はやや低くなります。
非水溶性の代表例は灯油、軽油、キシレン、スチレン、クロロベンゼンです。水溶性の代表例は酢酸、プロピオン酸、アクリル酸です。非水溶性の指定数量は1,000L、水溶性の指定数量は2,000Lです。灯油や軽油は家庭や自動車で日常的に使用されている物質です。
第3石油類|重油が代表例
第3石油類は「1気圧において引火点が70℃以上200℃未満のもの」と定義されています。引火点が70℃以上あるため、常温では引火しにくい物質です。
非水溶性の代表例は重油、クレオソート油、アニリン、ニトロベンゼンです。水溶性の代表例はグリセリン、エチレングリコールです。非水溶性の指定数量は2,000L、水溶性の指定数量は4,000Lです。重油は船舶や工場のボイラー燃料として使用されています。
第4石油類|潤滑油、ギヤー油など
第4石油類は「1気圧において引火点が200℃以上250℃未満のもの」と定義されています。また、「潤滑油・可塑剤などで、1気圧で20℃で液状であり、引火点が200℃以上250℃未満のもの」という条件もあります。
代表的な物質は、ギヤー油、シリンダー油、タービン油、モーター油、マシン油、可塑剤です。これらは機械の潤滑や工業製品の製造に使用されています。指定数量は6,000Lで、第4類危険物の中では比較的多く設定されています。なお、第4石油類には水溶性と非水溶性の区別はありません。
動植物油類|引火点250℃未満
動植物油類は「動物の脂肉または植物の種子等から抽出した油で、1気圧において引火点が250℃未満のもの」と定義されています。
代表的な物質は、ナタネ油、ヤシ油、オリーブ油、ニシン油、アマニ油です。これらは食用油や工業原料として使用されています。指定数量は10,000Lで、第4類危険物の中で最も多く設定されています。動植物油類も水溶性・非水溶性の区別はありません。
水溶性と非水溶性の違い|指定数量に影響する
第1石油類から第3石油類までは、水溶性と非水溶性に区分されています。この区分は指定数量に影響する重要なポイントです。
水溶性液体とは
水溶性液体とは、水に溶ける性質を持つ液体のことです。アセトン、メタノール、エタノール、酢酸、グリセリンなどが該当します。これらは水と混ざり合うため、火災時に水で薄めることで消火効果が期待できる場合があります。
非水溶性液体とは
非水溶性液体とは、水に溶けない性質を持つ液体のことです。ガソリン、灯油、軽油、重油などが該当します。これらは水より軽いため、水をかけると油が水の上に浮いて火災が拡大する危険があります。
なぜ水溶性と非水溶性の区別が重要なのか
水溶性と非水溶性の区別が重要な理由は、主に2つあります。
1つ目は指定数量の違いです。同じ石油類でも、水溶性の方が非水溶性の2倍の指定数量が設定されています。これは、水溶性液体の方が消火しやすいと考えられているためです。
2つ目は消火方法の違いです。非水溶性液体の火災には、泡消火剤や二酸化炭素消火剤が有効です。一方、水溶性液体の火災には、耐アルコール泡消火剤を使用する必要があります。通常の泡消火剤では泡が溶けてしまうためです。
試験で狙われるポイント|引火点の数値を整理
ここまで学んだ内容を試験対策の観点から整理しましょう。引火点の数値と代表的な物質は、確実に暗記しておく必要があります。
引火点の覚え方|数値の境界線を意識する
第4類危険物の引火点は、以下の境界線を覚えることがポイントです。
特殊引火物は発火点100℃以下、または引火点−20℃以下かつ沸点40℃以下です。第1石油類は引火点21℃未満、第2石油類は21℃以上70℃未満、第3石油類は70℃以上200℃未満、第4石油類は200℃以上250℃未満、動植物油類は250℃未満です。
覚え方のコツとして、「21、70、200、250」という数字の並びを意識してください。21℃を境に第1石油類と第2石油類が分かれ、70℃を境に第2石油類と第3石油類が分かれます。200℃を境に第3石油類と第4石油類が分かれ、250℃が第4石油類と動植物油類の上限となります。
頻出の代表的な危険物を押さえる
試験では、物質名を見てどの分類に該当するかを判断する問題が出題されます。以下の物質は必ず覚えておきましょう。
特殊引火物はジエチルエーテル、二硫化炭素です。第1石油類(非水溶性)はガソリン、ベンゼン、トルエンです。第1石油類(水溶性)はアセトン、ピリジンです。アルコール類はメタノール、エタノールです。第2石油類(非水溶性)は灯油、軽油です。第3石油類(非水溶性)は重油です。第4石油類はギヤー油、シリンダー油です。動植物油類はアマニ油、ナタネ油です。
まとめ|第4類危険物の分類を得点源にしよう
本記事では、第4類危険物の7つの分類について解説しました。最後に、試験対策として押さえておきたいポイントを整理します。
第4類危険物は引火性液体であり、引火点の数値によって7つに分類されます。引火点の境界線は「21℃、70℃、200℃、250℃」を意識して覚えましょう。アルコール類だけは引火点ではなく、炭素数1〜3個の飽和1価アルコールという定義で分類されています。
水溶性と非水溶性の区別も重要です。第1石油類から第3石油類までは水溶性と非水溶性に分かれており、水溶性の方が指定数量は2倍に設定されています。消火方法も異なるため、この違いを理解しておくことが大切です。
代表的な物質として、ガソリン(第1石油類)、灯油と軽油(第2石油類)、重油(第3石油類)は日常生活でも馴染みがあり、覚えやすいでしょう。特殊引火物のジエチルエーテルや二硫化炭素は、最も危険性が高い物質として必ず覚えておいてください。
第4類危険物の分類は、危険物乙4の試験で繰り返し出題されるテーマです。本記事の内容をしっかり復習し、確実に得点できる分野にしていきましょう。
