危険物乙4|製造所・貯蔵所・取扱所の区分と覚え方|試験頻出ポイントを解説

はじめに
危険物乙4の試験で必ず出題される「製造所等の区分」。製造所・貯蔵所・取扱所という3つの大きな分類と、その中でもさらに細かく分けられた施設の種類を正確に理解することが合格への近道です。この記事では、法令科目で頻出する製造所等の区分について、それぞれの定義・特徴・覚え方のコツを分かりやすく解説します。
製造所等の3つの区分
危険物を貯蔵し、または取り扱う施設は、消防法で「製造所等」と呼ばれ、以下の3種類に区分されます。
| 区分 | 定義 |
|---|---|
| 製造所 | 危険物を製造(合成・分解)する施設 |
| 貯蔵所 | 危険物をタンクやドラム缶などに入れて貯蔵する施設 |
| 取扱所 | 製造目的以外で、危険物を取り扱う(給油、販売、移送などのため、他の容器に移し替える)施設 |
法令上、これら3つの施設をまとめて「製造所等」といいます。
貯蔵所の種類と特徴
貯蔵所は、危険物をタンクやドラム缶などに入れて貯蔵する施設で、全部で7種類に分類されます。
| 種類 | 定義 | 特徴 |
|---|---|---|
| 屋内貯蔵所 | 屋内の場所において、容器(ドラム缶等)入りの危険物を貯蔵し、または取り扱う貯蔵所 | 建物の中にドラム缶などを保管する施設。工場や倉庫内の保管スペースが該当 |
| 屋外タンク貯蔵所 | 屋外にあるタンク(地下タンク貯蔵所、簡易タンク貯蔵所、移動タンク貯蔵所を除く)において危険物を貯蔵し、または取り扱う貯蔵所 | 工場敷地内にある大型タンク。地下タンク、簡易タンク、移動タンクは除外される |
| 屋内タンク貯蔵所 | 屋内にあるタンク(地下タンク貯蔵所、簡易タンク貯蔵所、移動タンク貯蔵所を除く)において危険物を貯蔵し、または取り扱う貯蔵所 | 建物内に設置されたタンク。屋外タンクとの違いは設置場所(屋内か屋外か) |
| 地下タンク貯蔵所 | 地盤面下に埋没されているタンク(簡易タンク貯蔵所を除く)において危険物を貯蔵し、または取り扱う貯蔵所 | 地中に埋められたタンク。ガソリンスタンドの地下タンクが代表例 |
| 簡易タンク貯蔵所 | 簡易タンク(600L以下)において危険物を貯蔵し、または取り扱う貯蔵所 | 容量が600L以下の小型タンク。簡易的な貯蔵設備 |
| 移動タンク貯蔵所 | 車両に固定されたタンクにおいて危険物を貯蔵し、または取り扱う貯蔵所。タンクローリーが該当 | タンクローリー(危険物運搬車両)。移動しながら危険物を貯蔵・運搬 |
| 屋外貯蔵所 | 屋外の場所(タンクを除く)において第2類の危険物のうち硫黄もしくは硫黄のみを含有するもの(引火点が0℃以上のものに限る)、アルコール類、第4類の危険物のうち第1石油類(引火点が0℃以上のものに限る)、第2石油類、第3石油類、第4石油類、動植物油類を貯蔵し、または取り扱う貯蔵所 | 屋外で容器入りの危険物を貯蔵。貯蔵できる危険物の種類が限定されている。引火点が高い(比較的安全な)危険物のみ |
取扱所の種類と特徴
取扱所は、製造目的以外で危険物を取り扱う施設で、全部で4種類に分類されます。
| 種類 | 定義 | 特徴 |
|---|---|---|
| 給油取扱所 | 専ら給油設備によって自動車等の燃料タンクに直接給油するため危険物を取り扱う取扱所、及び給油設備によって自動車等の燃料タンクに直接給油するため危険物を取り扱うほか、灯油若しくは軽油を容器に詰め替え、又は車両に固定された容量4,000L以下のタンク(※)に注入する作業等を行う取扱所 (※)容量2,000Lを超えるタンクにあっては、その内部を2,000L以下ごとに仕切ったものに限る | 一般的なガソリンスタンド。自動車への給油が主な業務。容量制限あり(4,000L以下のタンクへの注入) |
| 販売取扱所 | 店舗において容器入りのまま販売するため危険物を取り扱う取扱所 | ホームセンターや塗料店など。容器入りのまま販売(小分けしない)。指定数量の倍数で第一種(15以下)・第二種(15を超え40以下)に分かれる |
| 移送取扱所 | 配管及びポンプ並びにこれらに付属する設備によって危険物の移送の取り扱いを行う取扱所。地下に埋め込んであるパイプ、地上に配置してあるパイプ及びそのポンプなどが該当 | パイプラインとポンプによる危険物の移送。石油コンビナート等で使用。移送は他の場所へ送ること(無集積) |
| 一般取扱所 | 給油取扱所、販売取扱所、移送取扱所以外で危険物の取り扱いをする取扱所。燃料に大量の重油等を使用するボイラー施設などが該当 | 上記3つの取扱所に該当しないもの全て。ボイラー施設、洗浄施設、焼入れ施設など。最も幅広い分類 |
販売取扱所の区分
| 区分 | 指定数量の倍数 | 該当施設例 |
|---|---|---|
| 第一種 | 15以下 | 塗料やシンナーを取り扱う塗料小売店等 |
| 第二種 | 15を超え40以下 | 大型のホームセンター等 |
覚え方のコツ
貯蔵所の覚え方
貯蔵所7種類を覚える語呂合わせ:
「屋内・屋外(タンク)、屋内(タンク)、地下、簡易、移動、屋外」
または、タンクの有無で分類:
| 分類 | 貯蔵所の種類 |
|---|---|
| タンク系 | 屋外タンク、屋内タンク、地下タンク、簡易タンク、移動タンク |
| 非タンク系 | 屋内貯蔵所(ドラム缶等)、屋外貯蔵所(容器入り) |
取扱所の覚え方
取扱所4種類の頭文字:
「給・販・移・一」(きゅう・はん・い・いち)
| 頭文字 | 種類 | 代表例 |
|---|---|---|
| 給 | 給油取扱所 | ガソリンスタンド |
| 販 | 販売取扱所 | ホームセンター等 |
| 移 | 移送取扱所 | パイプライン |
| 一 | 一般取扱所 | ボイラー施設等 |
確認問題|理解度チェック
基礎問題
【問題1】
簡易タンク貯蔵所のタンク容量の上限は何リットルか。
【解答】600L以下
【問題2】
移動タンク貯蔵所とは何を指すか。
【解答】車両に固定されたタンク(タンクローリー)
【問題3】
給油取扱所で、車両に固定されたタンクに灯油を注入する場合、タンク容量の上限は何リットルか。
【解答】4,000L以下(ただし、2,000Lを超える場合は2,000L以下ごとに仕切ったものに限る)
応用問題
【問題4】
屋外貯蔵所で貯蔵できない危険物はどれか。
A. 軽油
B. ガソリン
C. 重油
D. 灯油(引火点40℃以上)
【解答】B(ガソリン)
解説:屋外貯蔵所で貯蔵できるのは、第1石油類のうち引火点0℃以上のもののみ。ガソリンの引火点は-40℃以下なので貯蔵できません。
【問題5】
販売取扱所で、指定数量の倍数が20の場合、第一種と第二種のどちらに分類されるか。
【正しい解答】第二種
【解説:】
- 第一種:指定数量の倍数が15以下
- 第二種:指定数量の倍数が15を超え40以下
倍数20は15を超えているため、第二種に分類されます。
【問題6】
次のうち、一般取扱所に該当する施設はどれか。
A. ガソリンスタンド
B. ホームセンターの灯油売場
C. 重油を使用するボイラー施設
D. 石油コンビナートのパイプライン
【解答】C(ボイラー施設)
解説:A=給油取扱所、B=販売取扱所、D=移送取扱所。これら以外はすべて一般取扱所です。
試験本番での解き方|得点力を上げるコツ
コツ1:キーワードを見つける
問題文の中から、以下のキーワードを探してください:
- 「600L」→ 簡易タンク貯蔵所
- 「4,000L」→ 給油取扱所
- 「車両に固定」→ 移動タンク貯蔵所
- 「配管とポンプ」→ 移送取扱所
- 「容器入りのまま販売」→ 販売取扱所
- 「引火点0℃以上」→ 屋外貯蔵所
コツ2:消去法を使う
特に一般取扱所の問題では、「給油・販売・移送のどれにも該当しない」という消去法が有効です。
コツ3:数字は確実に覚える
以下の数字は必ず暗記してください:
- 簡易タンク:600L以下
- 給油取扱所:4,000L以下(2,000L超は仕切り必要)
- 販売取扱所:第一種15以下、第二種15超〜40以下
まとめ
危険物乙4の法令科目では、製造所等の区分が頻出です。
重要ポイント
- 製造所等は「製造所」「貯蔵所」「取扱所」の3つに区分
- 貯蔵所は7種類(屋内貯蔵所、屋外タンク、屋内タンク、地下タンク、簡易タンク、移動タンク、屋外貯蔵所)
- 取扱所は4種類(給油、販売、移送、一般)
- 容量制限や設置場所の違いに注意
製造所等の区分を理解したら、次は「位置・構造・設備の基準」を学習しましょう。各施設にどのような安全基準が定められているのか、試験によく出るポイントを押さえることで、さらに得点力が上がります!
