効果的な企業研修とは?研修の企画・実施・測定方法を丸ごと解説!

企業の人材育成において、研修の実施は欠かせない取り組みです。しかし、「とりあえず毎年やっている」「参加者の満足度だけ見て終わっている」といった状態では、本来の効果を十分に引き出すことはできません。
本記事では、研修を“やること”が目的になってしまわないように、効果につながる企業研修のつくり方を企画段階から実施、そして評価・改善までを一貫して解説します!
人事担当者はもちろん、現場で研修に関わる方にも役立つ内容になっていると思います!
そもそも効果的な企業研修とは?
企業が行う研修は、単なる知識のインプットではなく、受講者の行動変容や業務成果につながってこそ意味があります。しかし、「とりあえず毎年やっているから」「社内ルールで義務だから」といった理由だけで企画・実施されているケースも少なくありません。本章では、企業研修を「効果的にする」ために欠かせない3つの基本ルールをご紹介します。
ルール①目的が明確
研修を設計する際は、まず「なぜこの研修を行うのか?」という目的を明らかにすることが重要です。
- 新入社員にビジネスマナーを身につけてもらう
- 管理職層のマネジメント力を高めたい
- DX推進に向けたスキル強化を図る
といったように、誰に・何を・どのように身につけてもらいたいかをはっきりさせましょう。
目的が曖昧なまま進めると、内容も評価もブレやすくなり、結果的に「やって終わり」になりがちです。
ルール②効果の評価方法が決まっている
研修を実施する前に、「研修がどの程度効果を発揮したか」を評価する基準も決めておく必要があります。
たとえば、
- 研修直後のアンケート(満足度や理解度の確認)
- 簡易テストによる知識の習得確認
- 数か月後のフォローアップ面談や業務成果のヒアリング
など、短期的・中長期的な視点を両方取り入れるのがポイントです。評価方法が定まっていないと、成果を見失いやすく、次回の改善にもつながりません。
ルール③効果の測定方法が適切に設計されている
評価だけでなく、それをどう測るかも大切です。
たとえば「受講者の成長」を測りたい場合、以下のような方法が考えられます。
- スキルチェックテスト(事前と事後で比較)
- 上司による業務パフォーマンス評価
- フィードバックシートの自由記述
これらを使い分けることで、定量的なデータと定性的な声の両方を集めることができます。目的に対して測定方法がずれていると、的確な効果分析ができず、改善の糸口も見つかりません。
なぜ従業員に研修は意味がないと思われてしまうのか?
研修の目的が伝わっていない
研修の背景や意図が共有されていないまま実施されると、「なぜこの研修を受けるのか」が理解されず、受講者は受け身の姿勢になりがちです。
目的が曖昧なままでは、自身の成長や業務との関係性を見出せず、モチベーションが上がりません。
事前に「この研修は何のために行われるのか」「どのような力を身につけてほしいのか」を明確に伝えることが重要です!
研修内容への関心が低い
受講者の立場や役割に対して、内容がミスマッチである場合も、意味のない研修だと感じさせてしまう原因となります。
例えば、すでに知っていることばかりで退屈だったり、実務と乖離した理論ばかりで現場に活かせなかったりすると、「自分に関係のない研修」という印象を持たれてしまいます。
対象者の職種・スキルレベル・業務課題に即した内容設計が求められます。
研修の実施方法が不適切
研修の進め方が一方通行だったり、受講者が発言・参加できる機会が少なかったりすると、内容以前に「退屈な時間」という印象を与えてしまいます。
ワークショップ形式やグループディスカッション、ロールプレイなど、受講者が主体的に参加できる工夫を盛り込むことで、学習効果も高まり「意味のある研修」だと実感されやすくなります。
王道な研修目的3つ
研修を実施する際、企業が掲げる目的にはさまざまなものがありますが、中でも以下の3つは多くの組織で共通して重視されています。それぞれの目的を明確にしたうえで、設計や実施内容を整えることが、研修の成果を最大化するためのカギとなります。
会社へのロイヤリティ向上
企業のミッションやビジョン、歴史や文化を伝えることで、社員のエンゲージメント(自発的な貢献意欲)を高めることが目的です。特に新入社員向け研修や、昇進時の研修では、「自社の一員である」という意識を育むことが大切です。ロイヤリティが高まることで、離職率の低下や、組織への貢献意識の向上が期待できます。
スキルの取得/定着
業務で必要とされる実践的なスキルや知識を、確実に身につけることを目的とした研修です。ITスキルやマネジメント力、営業力など、職種や役職に応じたスキル研修が代表的です。習得したスキルが実務で活かされるよう、研修中だけでなく研修後のフォローもセットで考えることが重要です。
知識の収集
特定の業界知識や社内ルール、商品知識などを体系的に学ぶための研修です。例えば、新商品や制度変更に関する勉強会もこのカテゴリーに含まれます。知識の習得は、正確な業務遂行や顧客対応の品質向上に直結します。理解度を測る小テストやレポート提出などを通じて、インプットの定着を確認するのが効果的です。
効果測定が必要な理由
企業研修を実施するうえで、「やりっぱなし」にしてしまうのは非常にもったいないことです。なぜなら、研修は実施すること自体が目的ではなく、その結果として業務改善や人材育成にどのような影響を与えたのかを確認することが重要だからです。ここでは、効果測定が必要とされる主な理由を紹介します。
研修の成果を可視化できる
研修を通じて受講者にどのような変化があったのかを定量・定性的に把握できます。満足度アンケートだけでなく、理解度テストや業務パフォーマンスの変化などを組み合わせることで、研修の「成果」を見える形にすることができます。
次回研修の改善材料になる
測定結果を分析することで、「何が効果的だったのか」「どこに課題があったのか」を明確にできます。これにより、次回の研修内容や進め方、講師の選定などをより精度高く設計することが可能になります。
社内への説明責任を果たせる
経営層や他部署に対して、「この研修が組織にどのような価値をもたらしたのか」を数値やデータで示すことで、予算やリソースの確保もしやすくなります。また、研修担当者としての信頼性向上にもつながります。
研修効果の測定方法
研修の成果を把握するためには、目的に応じた適切な測定方法を選ぶことが大切です。「受講者が満足していたか」「どのくらい理解しているか」「業績にどれだけ貢献したか」など、知りたい内容によって測定指標は異なります。
詳しくは、以下の記事で目的別に詳しく紹介していますので、併せてご覧ください。 【有効な研修効果測定は目的で変わる?】目的別でおすすめの実施・分析方法をご紹介!
満足度の測定がしたい場合
受講者が研修に対してどれだけ満足したかを測ることは、第一歩の評価指標になります。「内容の分かりやすさ」「講師の説明」「進行スピード」「実務との関連性」など、受講者の主観的な評価を数値で確認することで、全体の印象を掴むことができます。
理解度の測定がしたい場合
知識やスキルがどれだけ身についたかを確認するには、テストやワークの結果を活用するのが効果的です。理解度テストだけでなく、演習の発表内容やロールプレイなどの成果もあわせて評価することで、より実践的な把握が可能になります。
投資対効果の測定がしたい場合
研修にかかった費用に対して、どれだけの成果が得られたかを分析する方法です。業務効率の向上、売上や利益への貢献、ミスの削減など、定量的な数値で示すことが求められます。部署や業種によって指標は変わるため、事前に評価軸を定めておくとよいでしょう。
研修の効果を高める方法
研修は実施するだけで終わらせず、その効果を最大化する工夫が必要です。対象者や目的によって、効果的な手法は異なります。ここでは、「新人研修」「中堅社員向け研修」「特定のスキル研修」に分けて、効果を高めるための具体的なポイントをご紹介します。
新人研修の場合
新人研修では「会社への理解促進」「業務の基礎スキルの習得」「社会人マナーの定着」が主な目的です。そのため、座学と実践をバランスよく取り入れることが重要です。研修直後のアンケートに加えて、1か月後・3か月後のフォローアップも行い、業務への定着度をチェックすることで、研修の効果を高めることができます。
中堅社員向け研修の場合
中堅社員には、現場での経験がある一方で、マネジメントや課題解決力が求められてきます。ワークショップ形式でのディスカッションやロールプレイを取り入れ、自らの業務に即した内容にすることで、実務への応用が進みます。また、事前課題や研修後のアクションプラン提出を通して、自主性を引き出す設計も効果的です。
特定のスキルの研修の場合
プレゼンテーションやプログラミングなど、特定のスキルを学ぶ研修では「繰り返しの練習」と「即時フィードバック」が鍵です。eラーニングや演習を組み合わせて、個々の習得度に応じた指導を行うことで、効果を最大化できます。また、現場での活用機会を早期に設けることも、スキル定着には欠かせません。
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